「人を傷つけたり、困った人を置き去りにしなければ、自分が本当に困った時に、必ずどこからか助け舟が出る」と言っていた亡き母の言葉が、いまさらのように思い出される。
母が冥土のお開きで両手を広げて待っていてくれるだろう。
母の戒名は「蓮華院春照芳香大姉」(昭和59年3月22日永眠)。
清め膳のお料理代は奮発しよう。
セレモニーが終わって、弔問客がひとり去り、2人去り、息子も私も寂しくなる。
お手伝いをしてくれた友人たちの労をねぎらうために、2次会の費用は別にして、息子に託してある。
この時、私の席も忘れないでほしい。
息子の出産と同時期に、同じ病院でひとり息子を出産した友人がいる。
女の友とでもいおうか、以来、苦楽をともにし、何かあるたびにお互い励まし合たり、世の中の理不尽さをお酒を酌み交わしながらこぼしたり…ひとりだけのお葬式そんな彼女に一連の葬儀に関する理不尽さを訴えた。
彼女は中学校で生物の教諭をしているが、さすがは生物の先生らしい答えが返ってきた。
彼女によると死体は死体だというのだ。
何百万円ものお金をかけてする葬儀だけが葬式ではないと。
彼女は京都が実家だが、ご両親を自分の家に引き取り、父親の最期を看取った。
お父様はご自身がガンということを悟り、日本尊厳死協会の会員になり、意志をはっきり残されていたという。
延命措置はしないでほしいと書面にし、家族にもこの時の彼女の気持ちは、痛いほどよくわかる。
私もたったひとりで父を看取ったからだ。
入院先の埼玉の病院から、私の元に担当医から電話が入った。
「現在、人工呼吸でどうにか持たせている状態です。
お見えになられるようならこのまま続けます」と言われた。
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